仮定法には仮定法の独特の倒置形が存在します。
「倒置形って何?」
と思う方もいるかもしれません。
倒置形は、SVOCの語順が変わるのがポイントですが、
語順が変わっている文章には、筆者の強調したい部分や主張が記されていることが非常に多いんです。
なので、倒置形をあまり理解しないまま長文読解に取り組むと結構苦戦します。
倒置形を見つけたら常に目を光らせながら読むようにしてみてください。
では、仮定法の倒置について解説致します。
目次
仮定法の倒置の仕方
仮定法の倒置の仕方のポイントは主に2つです。
①ifを省略
②助動詞または動詞を前に出す
この2つの過程を経て、仮定法の倒置が完成します。
基本的な例文を用いて具体的に見ていきましょう。
仮定法の倒置の例
例えば、以下の仮定法の例文があったとします。
【例】
If she had been in the train, she would have been injured.
(もしあの時彼女が列車に乗っていたら、彼女は負傷していただろう)
上記の英文をこれから説明する2段階の手続きを経て、倒置形の文章にしていきます。
【仮定法の文を倒置形にする2つのステップ】
①Ifの省略
②hadを前に出す
①、②の手順通りに文章を組み立て直すと、次のように仮定法の倒置構文が完成します。
【例(倒置形)】
Had she been in the train, she would have been injured.
仮定法の倒置はこのような感じで作り出していきます。
仮定法の否定表現
仮定法の否定文は倒置法を含めて
6つの定型表現があります。
仮定法の基本がわかっていれば
覚えるのもそこまで苦労しないはずです。
if it were not for…
「if it were not for…」は
「もし今」という時に限って
使える定型表現
です。
この時、…以下は現在の事実とは反する内容がきて
「(実際にあるものが)もしなければ」
というような意味になります。
『今』についての仮定を示しているから過去形wereを使う
この話は前回も言いましたね。
そもそも仮定法の本質がよく分からないな、という人は下記の記事を参考にしてみてください。
仮定法は、例えば、“if it were not for my bag”で、「もし今私の鞄がなかったら」のような、仮定を示す訳なります。
if it had not been for…
次に、
「もしあの時」に使える定型表現が「if it had not been for…」
です。
これも前回と同様で、
『あの時』についての仮定だから、
過去完了形”had been”
を使います。
なので、意味としては過去の事実と反する内容となり、
「(実際にあったものが)もしなかったならば」
という意味になります。
“if it had not been for her advice”で「もしあの時彼女の助言がなかったら」のように、
『あの時なかったなら』と仮定する時に使うのがポイントです。
否定表現の倒置形
仮定法を使った否定表現でも倒置形は使われます。
否定の倒置形も序盤の2段階の手続きを踏んで文章を組み立てていくため、ポイントがわかっていればそれほど難しくありません。
例えば、
・if it were not for…
・if it had not been for…
で始まる英文を下記の手続きで倒置形にしていきます。
【仮定法を倒置形にする手続き】
①ifを省略
②助動詞または動詞を前に出す
上記2つの手続きにより、次のような倒置形の文章が完成されます。
were it not for…
これは、「もし今」についての倒置形です。
“if it were not for…”から、
『①ifを省略』
『②動詞”were”を前に出す』
の2段階の手続きを経た結果、
「were it not for…」
という構文が完成する仕組みになっています。
そしてこの構文は、
例えば、
“were it not been for my homework”で「もし今私の宿題がなかったなら」という意味のある文を作ることができるのです。
had it not been for…
「had it not been for…」は「もしあの時」についての倒置形
です。
“if it had not been for…”から、
『①ifを省略』
『②動詞”had”を前に出す』
の2段階の手続きを経た結果、
「had it not been for…」という構文が出力されます。
この構文もさっきと同様に、例えば
“had it not been for your advice”で、
「もしあの時私の宿題がなかったなら」
という意味のある文を作ることができます。
“without”や”but for”などの特殊否定文について
仮定法の否定表現には特殊なものも存在します。
それは、
・without…
・but for…
の2つの構文です。
こちらは両方とも
「もし…がなかったら」
の意味で、仮定法として使われます。
「もし…がなかったら」として使うことができる「without…」と「but for…」の重要なポイントは、
「もし今」でも「もしあの時」でも、どちらであろうが全く問題なく使えるという点です。
例えば、
without Mike
「もし今マイクがいなかったら」
but for hard work
「もしあの時懸命な努力がなかったら」
このように、without, but forを使えば仮定法で訳されます。
“without”、”but for”にはくれぐれも注意してください。
まとめ
今回は仮定法の倒置形、否定表現についてポイントとなる部分をまとめてみました。
否定・倒置は長文読解でも重要なマーカーの役割を果たします。
倒置や否定の基本的な原理からマスターし、読解に役立てていってください。
それでは今回のお話は以上です。
次回は仮定法が省略される話について解説していきます。
こちらも是非参考にしてみてください。
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