to不定詞の名詞的用法を勉強すると、
“it is 形容詞 for 人 to do”や、
“it is 形容詞 of 人 to do”
といった、長ったらしい構文を
目にすると思います。
しかし、
どんなときにforで、
どんなときにofなのか?
という部分について
正確に理解している人は
少なくないです。
なので今日は、
“it is 形容詞 for 人 to do”と
“it is 形容詞 of 人 to do”
の意味の違いについて
詳しくまとめてみました。
結論から言うと、
・ofの前後には主語、述語の関係が隠れている
・形容詞 of 人 to do~のto以下は、形容詞に関する理由が書かれている
・of直前の形容詞は『人物についての評価』が書かれている
ということになります。
それぞれ、
具体的にまとめておきましたので
1つずつ見ていきましょう。
目次
“it is 形容詞 for 人 to do…”の基本的意味
普通”it”を使うときは
直前に示してあるものを
代用するときに使います。
ですが、”it is 形容詞 for 人 to do…”
の構文の”it”は少し特殊で、
この時の”it”は直前の内容を
指し示していません。
「えっ、一体どういうこと??」
っていう感じですが、
それは次を見てみるとわかります。
“it”は形式主語として書き換えられる
まあ要するに、
“it is 形容詞 for 人 to do…”
構文で使われる”it”は
形式主語(仮主語)といって、
主語が長いときには
代わりに”it”に書き換えて、
本来の真主語はto以下に繋げておく
という方策を取ってるんですね。
例えば、
【不定詞使用例①】
To speak English is easy.
このような文章があった場合、
主語の”To speak English”部分が
長くて嫌な感じだから、
形式主語”it”に書き換えて、
【不定詞使用例②】
It is easy to speak English.
にしよう!
と、アメリカ人が決めたわけです。
(そう思ってくれるとわかりやすいです)
なので、
“it is 形容詞 for 人 to do…”
構文の場合であれば、
“it”が形式(仮)主語として使われ、
“for 人 to do…”
が本当の真主語になります。
【例】
It is impossible for us to master English in a year or so.
(私たちが1年かそこらで英語をマスターするのは不可能だ)
例えば上の文を見てください。
この文であれば、
“it”が形式主語として扱われて、itの中身を “for us to master English in a year or so”で後ろから説明する構文になっている
という感じです。
これが、
“it is 形容詞 for 人 to do…”構文の
基本的な特徴になります。
なお、for us to masterが
「私たちが英語をマスターする」
という訳になっているのが謎だと思う人は
下の関連記事で解説していますので
そちらを参照にしてみてください。
“it is 形容詞 of 人 to do…”の意味と見分け方
“it is 形容詞 of 人 to do”構文
について学ぶとき、
と教えられたことはないですか?
多くの参考書にも、
kind「親切な」
foolish「愚かな」
stupid「馬鹿げた」
cruel「残酷な」
thoughtless「思慮の足りない」
clever「抜け目ない」・・・
などは『人間の性質』
だと記載されていたりします。
ですが、
というのが僕の持論です。
もしあなたが難関大学や
英語スキルにそこまで
こだわっていなければ、
その程度の理解で
全然大丈夫かもしれませんが、
将来を見越して難関大学を目指したり
TOEICで700点以上を狙うようになると、
この理解では
解けない問題が続出します。
その理由をこれから説明していきます。
そもそも『人間の性質』として断定するには無理がある!
まず、
「馬鹿」「愚か」「親切」などを
人間の性質として
断定してしまうことには
無理があります。
あなたは「馬鹿」なのは人間、
愚かなのも「人間」と言われて
違和感を感じませんか?
よく考えてみれば、
「馬鹿な」鳥や「愚かな」猿や「親切な」犬、
「馬鹿な」政策や「思慮の足りない」決意
だってあるはずですよね?
さらには
「親切な」参考書もありますし、
「残酷な」運命も存在するはずです。
それなのにこれらの単語を全て
『人間の性質』と断定するのは
明らかにおかしいと思います。
そこで以下に
“it is 形容詞 of 人 to do”構文を
正しく見極めるポイントを
3つまとめておきました。
「It is・・・の後の形容詞が
『人間の性質』
を示すときは”of”を使う」
という判断から修正していきましょう。
『意味上の述語←主語』の関係が隠れている
まず最初に注目して欲しいのが、
“of”を使うときはその直前直後に
『意味上の述語←主語』
の関係が隠れている
ということです。
英語を日本語に訳すと右から文章を
理解しなければならないので
少し難しいかもしれません。
ofの前後で
意味上の主語 of 述語
の関係が隠れている
そもそも意味上の主語って何?
と思うかもしれませんが、
これは文章中の本当の主語のことではなく
文脈の中で使われるものです。
言葉で説明しても
パッとしないと思いますので
さっそく具体例を見ていきましょう。
【例】
It was sensible of Her to divorce that drunkard.
(あんな酔っ払いと離婚するなんて彼女は賢明だ)
この文の”of”の直前と直後に
注目してみてください。
It was sensible of Her
(述語) ← (主語)
賢明だ 彼女は
このように”of”の直前直後には、
『述語(賢明だ)←主語(彼女は)』
の関係が隠れている事がわかりますね。
後ろのto不定詞に『理由』をつける機能がある
今度は先ほどの文の
to不定詞以下に着目してみましょう。
すると、
” to divorce that drunkard
(あんな酔っ払いと離婚するなんて)”
と、『彼女が離婚して賢明だと判断した理由』について述べられている事がわかります。
これが”it is 形容詞 of 人 to do”構文を
見極める2つ目のポイントです。
ofの直前の形容詞が『人物についての評価』を示す
3つ目のポイントは、
“of”はその直前の形容詞が
『人物についての評価』
を表す時に使われる
という事です。
ここでの『評価』は、
その人を
「褒めたり、けなしたり」する
ということを意味しています。
例えば、
先ほどの文の”it was”と”of”の間に
挟まっている
形容詞に注目してみると、
sensible「賢明だ」
と彼女を褒めている事がわかります。
以上、これら3つが
“it is 形容詞 of 人 to do”構文を
見極める最大のポイントです。
どれか1つでも当てはまれば間違いなく
“for”じゃなくて”of”が答えになるので
しっかり覚えておいてください。
簡単な例題
How careless it was ( ) Fred to leave the light on!
①for
②of
このような選択問題があったとします。
問題文は感嘆文になっていますが、
もともとの文は以下の通りです。
It was very careless ( ) Fred to leave the light on.
この時、( ) の前後関係に着目してみると、、、
It was very careless ( ) Fred
(述語) ← (主語)
不注意だ フレッドは
となって、
( ) の直前直後に、
『述語(とても不注意)←主語(フレッドは)』
の関係が隠れている事がわかります。
しかも、
後ろのto不定詞で
「明かりをつけっぱなしにするなんて」
と言って、
『不注意だと判断する理由』
も持ち合わせていて、
さらに”careless “という形容詞は
「不注意なやつだ」と言って、
Fredという人物に
マイナスの評価を下している
(つまりけなしている)
ということもわかりますね。
これらを踏まえて、
( )の中に入る答えは
“for”ではなく“of”だという事が
ハッキリします。
くれぐれもここで、
「そうか!”it is 形容詞 for 人 to do”構文ね!」
と言って安易にforを
入れないように注意してください。
まとめ
今言った3点さえ押さえておけば、
“it is 形容詞 for 人 to do” と
“it is 形容詞 of 人 to do” の違いについて
すぐに見分けがつきそうですね!
ただし、”for 人 to do”構文に対して”of 人 to do”構文は英文を右から翻訳しなければならないので、少し読みづらいと思います。
この構文は文型を支える非常に重要な構文です。
理解が曖昧な方は何度でも読み返してみてください。
また、今回は『不定詞、形容詞』
をテーマに書いた記事なので、
そのテーマに関連していて
重要だと思った記事を載せておきます。
この辺はどれも重要なので
ぜひ参考にしてみてください。
それでは今回の話は以上です。
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