使役動詞let/make/haveの違いと使い分け。攻略の鍵は強制力の強さの理解

こんにちは、ブログで
英文法の解説をしているタカツです。

 

分詞を勉強していると、
良く聞く言葉の1つに「使役動詞」があると思います。

 

使役動詞とは

→人やものに「〜させる」
というような意味をもつ動詞のこと

 

使役動詞の代表例としては
let・make・have
などがありますが、

 

これらは「〜させる」時の強制力の強さが異なります。

 

僕も学生の頃は、

 

let「…させる」
make「…させる」
have「…させる」

 

ぐらいにしか思っていませんでした。

だからよく先生から

 

先生
じゃあletとmakeとhaveでどれが一番適切か答えてください

 

と言われた時に、
「え?どれも一緒じゃん?!」
みたいな感じでした。

 

というわけで今回は、SVOC構文とも関連のある使役動詞(let/make/have)について詳しく解説していきます。

 

最初に結論を述べると、

 

使役動詞の強制力の比較

make > have >> let

 

の順番で強制力の強さが変わります。

 

この関係を参考にしながら、3つの使役動詞の違いを一緒に勉強していきましょう。

使役動詞let/make/haveの違いを見分けるポイント

まず、使役動詞の基本的な復習から
説明していきましょう。

 

SVOC構文に使役動詞を用いる場合、
OとCの関係が「OがCする」という訳の時は、不定詞Cにtoをつけないという原則がありました。

 

この時、
不定詞Cにtoをつけない形のことを
原形不定詞と言います。

 

 

あとは、使役動詞だろうと何だろうと、

 

「OがCしている」現在分詞”…ing”

「OがCされる」過去分詞”p.p.”

 

を用いるという本来のSVOC構文のルールに従います。

 

それでは、上記の前提を踏まえて
使役動詞”let/make/have”の違い
について迫っていきましょう。

 

“let”→『許可』

 

“let”は『許可』を表す使役動詞で、
「〜することを許す、許可する」
という訳になります。

 

強制力の強さは”make”や”have”
と比較すると一番小さいです。

 

「〇〇したいのなら、させてあげます。」

「あなたが望むなら、反対せずに、
あなたの言う通りにさせてあげます。」

 

と言うように、
強制力の薄い優しい感じのニュアンス
になります。

 

【例文】

My father let me drive.

(私の父が私に運転をさせてくれた。)

 

上の例文を見てみましょう。

 

これは、

“let”使役動詞

“me”目的語O

“drive”補語C(原形不定詞)

として働き、

 

父が私に
「運転したいのなら、
もちろん運転させてあげます」
と、

優しく許可を取っている場面を
想像してもらえれば分かりやすいです。

 

つまり、許可するという意味である”allow”を使っても同じ意味になります。

 

【例文】

My father let me drive.

=My father allowed me to drive.

(私の父が私に運転をさせてくれた。)

 

ただし、allowはtoとセットで使用されるので、注意が必要です。

 

タカツ
letは優しく許可してあげるイメージ!

 

“let him to drive”は使用不可なので覚えておきましょう。

 

“make”→『強制』

 

“make”は『強制』を表す使役動詞で、
「強いて、〜させる」
といった訳です。

 

これはたとえあなたがそれをやりたくなくても、「強制的に、無理矢理させる」といったニュアンスを持ちます。

 

“let/make/have”の中では
一番強制力が強い部類になります。

 

上司に無理矢理残業を押し付けられたり、注射嫌いな子供に父親が無理矢理注射させに病院に連れ込むシーンなどで用いられます。

 

【例文】

Our boss made us work till late last night.

(私たちの上司は、昨晩、私たちに遅くまで仕事をさせた。)

 

上の例文を見てみますと、
こちらは

 

“make”使役動詞

“us”目的語O

“work”補語C(原形不定詞)

 

として機能しています。

 

上司が私たちに
「夜遅くまで無理矢理仕事させる」
という場面だから、

強制力の一番強い”make”を使役動詞として用いているわけです。

 

タカツ
これはやりたくなのに無理やりやらされるイメージだと認識しておこう!

 

使役動詞makeもまた、”Our boss made us to work…”とto不定詞をつけることはできないので、注意してください。

 

“have”→『”let”と”make”の中間』

 

使役動詞”have”はある程度の強制力を持ちますが、

 

“make”と比較すると強制力は弱めで、
“let”と比較すると
強制力はかなり強くなります。

 

訳としては
「(義務または仕事として)〜させる」
といった感じです。

 

冒頭の大小関係を見てみると

 

make>have>>let

 

と、中間的な位置にあたります。

 

具体的な例としては、
例えば以下のような感じです。

 

→「医者に診察させる」

→「看護師に看護させる」

→「弁護士に弁護させる」

 

このような場面で”have”が使われたりするんですね。

 

例えばもし医者に診察を受けてもらうときに、あなたが医者に向かって”make”を使ってしまうと、

「何があっても嫌でも診察しろ!」
という脅迫的なニュアンスになってしまいます。

 

逆に”let”を使ってしまえば、

「先生、あなたが望むなら診察させてあげる♡」

といった、気味の悪い表現になってしまいます。

 

ですのでこのような場面には
原則的に”have”が用いられます。

 

【例文】

She had her hat blown off by the wind.

(彼女は風で帽子を吹き飛ばされた。)

 

上の例文では、

 

“had”使役動詞

“her”目的語O

“blown off”補語C(過去分詞)

 

として機能しております。

 

この状況は、何が何でも無理矢理帽子が吹き飛ばされるわけではなく、逆に、「吹き飛ばしたいと望むなら、吹き飛ばされてあげる♡」と許可してるわけでもなく、

 

半強制的に
「帽子が吹き飛ばされた」
わけです。

 

なので”let”と”make”の中間である
“have”を用いているのです。

 

タカツ
強制力の順位はとても大事だから常に頭に入れておこう!

 

使役動詞haveもletやmakeと同じく、”She had her hat to blow off”のようにto不定詞を併用できません。

 

“get~to do “→haveと同じ位置づけ

 

また、haveと同じ強制力を持つ使役表現として

“get ~ to do”

というものがあります。

 

意味はほぼhaveと一緒なのですが、厳密に違いを述べるとすると、haveは義務や仕事に対して使われるのに対し、

 

get ~ to doは説得や依頼によって
「〜させる」
「〜してもらう」
というニュアンスになります。

 

例えば次のような違いを
見てみれば分かるはずです。

【例文】

I’ll have him fix your computer for you.
(あなたのパソコンを彼に直させます。)

I’ll try to get him to fix your computer for you.
(彼に頼んで君のパソコン直してもらうよ。)

 

haveの例では仕事として「パソコンを直させるよ」と言っているのに対して、

get~to doの例では
「彼に頼んでパソコンを直させる」
と依頼していることが例文から読み取れますね。

 

このように、若干ニュアンスは違ってきますが、
そこまで大した問題でもないと思うので、
参考程度に理解していただけたらと思います。

使役動詞を用いたSVOC構文の練習問題

一通り、使役動詞についての説明を終えたところで、練習として1つ問題に取り組んでみましょう。

 

問題

(  )に当てはまるものを以下の選択肢から選べ

She couldn’t make herself (  )in Spanish.

選択肢:

①understand

②understood

③understanding

④to understand

 

解説

前回の記事を読み返してみれば
すぐにお分かりになると思いますが、
SVOC構文の問題の解き方は

 

OとCの関係

 

に注目することが大切です。

 

ここでは、
動詞”make”は使役動詞ですので

 

⑴「自分が理解する」なら
→Cは原形不定詞“understand”

⑵「自分が理解している」なら
→Cは現在分詞“understanding”

⑶「自分が理解される」なら
→Cは過去分詞“understood”

 

となり、この時点で④の選択肢はなくなります。

 

なので、①〜③のどれかが答えになります。

この問題文では
「スペイン語で周囲の人に理解される」
という受身の関係を表しているので、
答えは“understood”が正解です。

 

「スペイン語が通じた」
などのように意訳をするとかえって間違いやすくなりますので、

SVOC構文の問題はあくまで直訳で
解いていくのがいいでしょう。

 

そして、ここでの”make”は強制を表す使役動詞ですので、

「どうやっても、どんな手段を使ってもスペイン語を周囲に理解させることはできなかった」

と、悔やんでいる場面を表現しています。

 

答え

訳:「彼女はスペイン語で自分を理解してもらえなかった。」

 

使役動詞攻略のコツは多読・多聴によって慣れること

 

受験英語の世界では、
使役動詞というのは、かなり頻出事項です。

 

文法問題のほかに、リーディングやリスニング中にもたくさん出てきます。

 

文法問題を解くだけであれば、これまで説明してきたことを意識していればOKだったんですが、

これがリーディング、リスニングになると少しハードルが高くなりますね。

 

例えば、

・get himself tutored
・Stress makes you social.
・make this different

といった第五文型が文中によく紛れ込んでいて、今回話したようなことをよく理解していないと、なかなかスムーズに読み進められなかったりします。

 

まあこういうのは
正直慣ていくしかありません。

 

今回解説した知識をベースに文法問題を解きまくり、SVOC構文が混ざったリーディング、リスニング素材をフルに活用して多読、多聴を日々練習していけばすぐに身についてくると思います。

 

おすすめとしては、例えば、以下のようなプレゼン素材を使ってみるのがいいですね。

 

使役動詞も混ざったプレゼンなので、
文法知識をある程度身につけた人は
ぜひこのような素材で多読・多聴の練習をしてみてください。

 

 

まとめ

 

以上が使役動詞
“let/make/have”の違いと
使い分けの仕方の説明でした。

 

この3つの単語を使い分ける最大のポイントは『強制力の強さ』を理解することです。

 

これは問題をときながら徐々に慣れていくことが大切になります。

 

また、今回話したテーマに関連している重要記事を載せておきますので、よかったら参考にしてみてください↓

 

 

それでは今回のお話は以上です!

⚠️注意⚠️

※このブログでは、閲覧者の悩みを優先的に解決するために英文法を日本語で解説していますが、英語を日本語で学ぶことは推奨していません。

詳しくはこちらで解説していますが、ご理解の方よろしくお願い致します。

 

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最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

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