こんにちは。英語研究家のタカツです。
本日も読者に有益な英語の情報を発信していきます。
今回のテーマは、
「なぜ日本人は英語ができるようにならないのか?」
という超重要な話です。
こんなふうに悩んでいる日本人、非常に多いと思います。
なので、今回はそんなあなたの悩みへの答えを書きました。
また、前回にも同じような感じで
英語が話せない理由について書きました。
ただ、こちらはミクロ的な視点で書いたものが多く、英語ができない本質的な話はあまり語っていません。
なので今回は『日本の教育現場』の視点から俯瞰的に見て、マクロの視点で英語ができない本質的な理由について迫っていこうと思います。
目次
学校教育から見た、日本人が英語ができない4大理由
僕は今の英語教育にはかなりの憤りを抱いています。
なぜかというと、今の英語教育では絶対に英語なんてできるようにならないからです。
考えても見てください。
皆さんは中学、高校、大学と、約10年に渡って英語を学んできました。
しかし、周りを見渡してみると、ほとんどの人が英語ができるようになっておりません。
「10年もやってきたのにこの程度かよ…」
「10年の成果がTOEIC400点」
もうこれはあなたが悪いのではなく、学校の教育に問題があるとしか言いようがないと思います。
なぜ学校の教育の問題があるのでしょうか?
ここでは僕が4年に渡って分析した、日本人が英語ができない4大理由を暴露していきます。
あなたが英語ができない理由は、すべて学校教育が教えてくれました。
結論から言うと、以下の通りです。
❶学校の訳読・和訳教育
❷学校教育の完璧主義思想
❸発音・音声の異常な軽視
❹英語を日本語で教えている
この4つは僕が生まれる前からも変わっていないと思います。
今でもほとんど改善されていないので、おそらく『永久保存版』と言ってもいいでしょう。
どれも重要なので、ぜひ1つ1つメモをとって英語ができない真の原因をノートと頭の中に保存しておいてください。
理由1)学校の訳読・和訳教育
近代の英語教育は江戸時代までの漢文教育のように、返り読みをしながら英文を日本語訳に翻訳する教育がなされています。
そして、大学入試も英語を日本語に翻訳するものがほとんどです。
このように日本では、
『英文を日本語訳に翻訳する能力こそが、この国で問われる英語能力の全て』
と言っても過言ではありません。
もちろん僕も、この教育を鵜呑みにしながら学生生活を過ごしてきました。
その結果、英語を英語のまま読んだ通りに理解する能力は置き去りにされてきました。
だから英文をどれだけ読んでも早く読めるようになりませんでしたし、どれだけ英語を聞いても日本語に翻訳しようとして
相手の話しているスピードに追いつくことができませんでした。
本来は、英語を読むということは英語を英語のまま内容を理解することであるはずです。
しかし、日本で高く評価されているのは英語を日本語に翻訳する能力なので、英語で読むという能力は逆に下がっていってる傾向にあります。
特に和訳主義というのは英語を理解する時に日本語に翻訳するプロセスを挟みます。
速読という意味では、和訳主義は致命的に読むスピードが遅くなってしまいます。
日本のTOEICの平均スコアを著しく引き下げているのも、これが要因なのでしょう。
理由2)学校教育の完璧主義思想
英語力を上達させるのにまず重要な能力は、相手が言った(もしくは書いた)英語の内容を大筋で理解する能力なのに、日本の学校教育ではそれを真っ向から否定します。
例えば、
“The building owners are discussing whether to take out a loan to pay for the lobby to be renovated.”
(訳.そのビルのオーナー達はロビーの改修工事の支払いをするにあたって借り入れをするかどうかについて話し合っている)
という英文に対し、日本の教育では、
・The building owners=主語S
・are discussing=述語V
・whether to以降は副詞節
・whether toの意味は「〜するかどうか」
・pay forのforは『対象』のイメージで使う・・・
などのように分析して、ニュアンスやミクロの英文の意味を完璧に把握していきます。
しかし、このような完璧主義思考は英語力の伸びを一番妨げる要因です。
英文を何かしら分析している以上、先ほど言った『和訳』という行為をせざるを得ないため、結局は『完璧主義=訳読主義』という方程式が成立してしまい、外国人としての英語力にはマイナスに起用してしまいます。
このような、完璧主義的な英語力を培いたい人は、まずは英検1級・TOEIC900点を取ってからの方が良いでしょう。
理由3)発音・音声の異常な軽視
このブログやメルマガ講座では主に、発音やリスニングなどの音声を重視した英語学習法を推奨しています。
理由は、英語攻略の鍵は
『音声』の理解にあるからです。
日本の教育では特にこの『音声』の教育をないがしろにしてしまっているため、今のような『英語難民』が日本で続出しているのだと思います。
とにかく日本の英語教育での音声軽視は非常識としか言いようがありません。
今の日本の学校教育は、ほとんど口や耳を使うことなしに完全な静寂の中で行われています。
基本的には、
・英文法の問題を解き、文法的にあっているか間違っているかを先生が指摘する
・長文を読んで英文を日本語訳にしっかりと翻訳できるか確認する
という2点がメインで、リスニングや発音の学習は「時間が余ったらやる」程度でしょう。
(少なくとも僕の高校はそんな感じでした。)
稀にリスニングや発音の学習があったとしても学校の先生の英語の発音も日本語の訛りが入った発音で喋るので、ネイティブでも分からなかったりします。
こんな状況下であなたの英語力低下を問題にしても、スタートラインにすら立てないことが理解できるのではないでしょうか?
大人になっても外国人の英語がまったく聞き取れないのはまさにここにあります。
理由4)英語を日本語で教えている
そして最後に、英語を日本語で教えてしまっているという点です。
もうこの時点で、英語を日本語に介在させて考える思考回路を作り出しているので非常に良くありません。
英語と日本語はまったく違う言語です。
そして『サピア=ウォーフの仮説』より、英語と日本語では意味に差があります。
「意味に差がある。」と聞いて「?」を思い浮かべたかもしれません。
具体的には、英語を日本語に翻訳した時に意味が変わってくるということです。
つまり外国人が英語を読んで理解した内容と、同じ英語を日本語に訳してそれを日本人が読んだ時に理解した内容に誤差が生じてしまいます。
なので、英語を日本語訳で理解した瞬間にネイティブと同じ思考回路は手に入らなくなってしまうのです。
ネイティブと対等にコミュニケーションを取れるようになりたいという人は、英語を英語のまま理解する練習をしていかなければいけません。
よって、英語を学習するときは完全に日本語と切り離してから英語を学習していくことが重要になってきます。
このプロセスこそが英語で物事を捉え、ネイティブの言っていることが言語としてそのまま理解できるようになるための最短距離なのです。
日本人が英語ができるようになる2ステップ
これを読んで
「学校の先生をすごく批判している!」
と批判的に感じる人もいたかもしれません。
しかし、僕は別に学校の先生が嫌いでも皮肉に感じているわけでもないので安心してください。
僕が言いたいのは、学校の先生が悪いのではなくて今の学校の英語教育システムが悪いということです。
この英語の教育システムを根本から改善していかなければ、おそらく今後も英語貧民が日本で生産され続けるのだろうと思います。
確かにこれからは、
・2020年から小学校で正式な英語教育が始まる
・大学入試に民間の4技能を測る英語資格が必要になる
といった改革が議論されていて、英語教育の早期化が促進されるのだろうと思いますが、根本的に英語教育のシステムを変えていかなければこれからも日本の英語力の停滞は続くでしょう。
しかし、あなたはそんなふうになりたくないはずです。
だからまずは英語ができない理由についてしっかりと原因を突き止め、思考回路を変え、対策に移っていく必要があります。
先ほど僕が言った
「英語ができない理由」
について考えてみると、あなたが英語力を伸ばすためには次の2ステップが必要です。
❶音声を確実に聞き取れるようになるために、発音学習を徹底する
↓
❷英語を英語のまま考える努力をする
まずは英語の発音をマスターして確実に英語を聞き取れるようになってから、英語を英語のまま解釈して外国人としての英語脳を構築させていきます。
この2ステップこそが、本物の英語力を作る教育プロセスです。
そのための具体的な方法論は、メルマガにて話していますので興味があればぜひ読んでみてください。
また、今は初心者さん向けに『英語学習に関する考え方』をまとめた記事を作っています。
英語学習に対する思考力が身につくので、初心者さんはこちらを最初に読んでみることをオススメします。
それでは今回の話はそんな感じです。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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